シフトダウンする快楽 その2

昨日からの続きです。

『減速して自由に生きる;ダウンシフターズ』(ちくま文庫)

ゆったりと生きれば、美しいものはそこら中に

減速して自由に生きる: ダウンシフターズ (ちくま文庫)

著者の髙阪さんは、会社を辞めて1年弱の旅に出ます。その旅の中で、彼は日本海に黄色く照り輝く三日月が沈んでいくのを見ました。

「美しいことや、感動することには、お金がいる。そんなふうに無意識に認識していました。ディズニーランドに行くにも、映画を見るにも、美味しいディナーコースを堪能するにも、山でご来光を拝むのにも、ある程度のお金がいります。でも、目の前で感動した「日の入り」は毎晩繰り返し起こっているのに、ほとんどの人が知らないままです。こんなに感動するものが、毎晩目の前にあるのに、それに気づかないまま、「感動」や「楽しさ」を求めて、ぐったり疲れ果てるまで時間を惜しんでお金を稼ぐことに夢中でした。ちょっと手を休めて、空を見上げれば、感動に値するお月様は、いつでもそこにいてくれるのに。」

その後、料理修行を経て、以前から願っていたBARをオープン。三日月に感動した彼は、BARの名前を「たまにはTSUKIでも眺めましょ」に決めたのでした。

繁盛しないことがポリシーの店

彼は生活をシンプルにし、限りない物欲とはサヨナラし、生活実費が少なくなったので、その分売り上げが上がらなくても大丈夫だと考えました。彼の考える「豊かな暮らし」から逆算し、1日の売り上げを2万円と決めました。客単価4000円として、5人お客様が着てくれれば成り立つ計算です。彼は、お客様とたくさんお話したりするためにも、ヒマな店を目指したのでした。

そしてそれができるのは、繰り返しになりますが、シンプルな暮らしをしてたくさん稼がなくていいから。たくさん稼がなくても十分に彼の考える人間的で「豊かな暮らし」ができるのです。

その結果、開店した飲食店は4年後には20%としか残っていないといわれる中、開店から6年間、黒字経営を続けているとのこと。

そしてさらにこの本が出てからは、たくさんお客様が来店されて売り上げが増えすぎて、忙しくなりすぎ、休日を増やすことに。今は週休3日で営業されています。

そしてお休みの日は何をしているかというと、その休日を使ってお米と大豆を無農薬で自給されています。私はお米や大豆を育てるのはものすごく難しいことだと思っていましたが、彼はこれも独特のやり方で、年間20日農作業をするだけで、家族3人(彼、奥さん、お子さん)分のお米を自給できたそうです。

新しい「豊かな暮らし」の定義

この本には面白い考え方、知恵、実例がものすごくたくさん詰まっています。特に今の大量消費社会に疑問を持っている方には、激しくお勧めします!w

もうすでに、プレッシャーに押しつぶされそうになりながら長時間働いて高価なものをたくさん買うのが豊かだ、という考え方は古くなっていると思います。

モノよりもっと大切なのは、家族との時間、自然の中で過ごすこと、本物の食べもの(昔からの製法で作られたホンモノの力のある食べ物)を食べること、自由な時間があること、自分で選択できること…

こういうことに重点を置いているのが新しい「豊かな暮らし」ではないかと思います。

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